コミュニケーションを活性化するオフィスづくりの3つの仕掛けをご紹介

オフィスづくりのサポートをさせていただく際に、最も多いご相談の1つが「オフィスづくりを通じてコミュニケーション活性化を実現したい」というご相談です。コミュニケーションが活性化すれば、業務効率向上や組織全体の活性化にも繋がります。今回はオフィスづくりの工夫をすることでコミュニケーションを活性化することができる仕掛けについてご紹介します。


コミュニケーション不足が招く問題点


オフィスにおけるコミュニケーション不足は、組織全体の生産性低下や社員のモチベーション低下、社員同士の良好な関係性を築けないことによる離職など、経営に様々な悪影響を及ぼします。

例えば以下のような場合が考えられます。
・必要な情報が共有されないことで、認識のズレや誤解が生じ、手戻りや無駄な作業が増加する。
・部署間やチーム内での連携不足により、業務進捗が遅れたり、ミスが発生しやすくなる。
・部門を超えたコミュニケーションが不足し、部門間の連携が弱くなる。
・社員が孤独感や孤立感を感じることで、組織への帰属意識が低下し離職に繋がる。
・誤解や人間関係の悪化により、ストレスが増加し、社員の心身の健康を損なう。


オフィスづくりでコミュニケーションを活性化させる3つの仕掛け


 

①コミュニケーションを促進するレイアウト

オフィスレイアウトを工夫することで、偶発的な出会いやスムーズな情報共有、チームワークを強化、イノベーションに繋がります。社員の満足度を高め、企業文化を形成する上でも重要な役割を果たします。具体的には、以下のポイントを押さえましょう。

1.様々なメンバーとの交流を促す仕掛け
従来のように部署ごとにスペースを区切るのではなく、部署の垣根をなくしたオープンな空間を設計することで部署間を超えたコミュニケーションを促進することができます。

・フリーアドレス制の導入
フリーアドレス制を導入することで、毎日異なる人が隣に座ることになり、様々な人とコミュニケーションをとる機会が増えます。

・オープンスペースの活用
オープンスペースに共有デスクやソファを配置することで、部署を超えた交流を促進するきっかけになります。

・ワンフロア化
ワンフロア化とは複数階に分かれていたり、拠点がばらばらだったオフィスを同じフロアにまとめることです。同じフロアにいるだけでコミュニケーションのしやすさは大きく改善されます。顔を合わせる機会が増え、自然と異なる部署間のコミュニケーションが生まれます。

・オフィスの壁を極力無くす
オフィスの壁を極力減らすことで、オフィス全体が見渡せるため、話しかけてもいいタイミングかどうかの状況を判断しやすくなりコミュニケーションのきっかけが生まれやすくなります。また、会議や会話が聞こえてくることで、自分が関わっていないプロジェクトの情報や、他の部署の課題などを自然と耳にする機会が増えることで、コミュニケーションの幅が広がります。

2.偶発的な出会いを生み出すレイアウト設計
部門を超えたコミュニケーションや、仕事で関わりのない社員同士のコミュニケーションを増やすためには、人と人が偶発的に出会い、同じ空間にいる時間を創出することが大切です。

・部署間を横断する通路
部署間を横断する通路を設けることで、他の部署のメンバーと顔を合わせる機会を増やしコミュニケーションを促進することができます。

・マグネットスペースを配置する
マグネットスペースとは、社員が自然と集まり交流する空間のことです。コピー機やカフェスペース、ウォーターサーバー、カタログラックなど、業務上の理由や休憩のために、磁石のように人を惹きつける場所のことです。マグネットスペースに休憩スペースや作業台を設置し、滞在時間を長くすることで、偶発的な出会いやコミュニケーションを促進します。

3.集中スペースとコミュニケーションスペースの分離

集中して業務に取り組めるスペースと、リラックスしてコミュニケーションを取れるスペースを明確に分けることでコミュニケーションの活性化を促進することができます。

・集中スペース
静かな環境で集中して作業ができるよう、個室や半個室スペース、オンライン会議用のブースなどを設置することで、執務室では周りの人に気兼ねなくコミュニケーションが取れる環境を作ることができます。

・ミーティングスペース
オープンか個室か、ミーティングスペースの収容人数、スペースに設置された機器など、目的に応じて様々なタイプのミーティングスペースを設けることで、より効果的なコミュニケーションを促進することができます。

・コミュニケーションスペース
執務室エリア内に、休憩やランチ、気軽な打ち合わせで利用できるオープンなスペースを設けることで、社員同士の自然な交流を促進しコミュニケーションを活性化することができます。

 

②コミュニケーションを活性化するオフィス家具

適切な家具を配置することで自然な会話が生まれ、社員同士の交流を活性化できます。

・ハイテーブル
立ったまま気軽に会話ができ、ちょっとした相談や情報交換に最適です。立ちミーティングは打ち合わせの時間が短くなるという研究結果もあるので、生産性向上にも効果があります。

・ホワイトボードを設置する
アイデアを書き出したり図解したりすることで、議論を活性化させ、共通認識を深めやすくなります。ホワイトボードで議論している内容が周囲からも見えるので、ホワイトボードがミーティングに参加していないメンバーとのコミュニケーションのきっかけになることも期待できます。

・ソファー
ゆったりとくつろげるソファは、リラックスした雰囲気でコミュニケーションを促進するのに役立ちます。

・可動式のテーブルや椅子
レイアウトを柔軟に変えることができるため、人数やコミュニケーション内容に合わせて最適な活用ができ、コミュニケーションの質を高めることができます。

 

③コミュニーションの質を高める様々なコミュニケーションスペース

コミュニケーションには様々な内容があります。オフィス内に様々なコミュニケーションスペースを用意することで、コミュニケーション内容に応じて最適なスペースを選択し、より質の高いコミュニケーションを生み出すことができます。

1.カフェコーナー
コーヒーを飲みながらリラックスできるカフェのようなスペースは、軽い雑談や情報交換を促します。美味しい飲み物や軽食があることで、人は自然と集まり会話も弾みます。

2.複合機・備品コーナー
印刷の待ち時間や備品を取りに来た際に、自然と会話が生まれます。社員が必ず使用する場所のため、掲示板などを設置することで、社員同士の交流も深まります。

3.リフレッシュスペース
マッサージチェア、グリーン、絵画などを導入し、リラックスできる空間を用意することで、ストレス軽減や心身の緊張を開放することができます。仕事と切り離された環境のため、すれ違った際に自然と会話が生まれます。

4.ブックスペース
新聞やビジネス書など仕事に役立つ書籍を置くことで、社員同士が情報を共有することができます。また社員におすすめの本を紹介する掲示板を設置することで、コミュニケーションを促進することができます。

5.立ち話ができるスペース
ハイテーブルやカウンターテーブルなどを設置することで、短時間で気軽にコミュニケーションを取ることができます。

6.1on1でのミーティングが可能なスペース
個室や半個室などのプライバシーが確保された空間では、悩みや不安、キャリアプランなど普段話しにくい内容も打ち明けやすくなります。


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