お客様のご要望

執務室を2階に集約するにあたり、オフィスをリニューアルしたいとのご相談をいただきました。
こちらの企業様では、業務内容の異なる2部門がそれぞれ1階と2階の執務スペースを使用されており、部門間の分断が課題となっていました。今回の2階への集約に合わせて、新しい什器を用いたレイアウトの見直しをご希望されていました。

当初は「全体的にリニューアルしたい」という漠然としたご要望だったため、まずは具体的な課題を明らかにするために、社員の皆様を対象としたアンケートを実施しました。その結果、「リラックスできるスペースがない」「従業員間のコミュニケーションが少ない」といった声が多く寄せられました。

これらのご意見をもとに、リニューアルでは空間の使い方やレイアウトを工夫し、快適で自然とコミュニケーションが生まれるオフィス環境づくりを目指しました。

施工内容

◎執務スペース

2階の執務室です。

以前の執務室はスクール形式を採用しており、社員の皆様は同じ方向を向いて業務にあたっていました。しかし、この配置ではコミュニケーションが取りづらいという課題がありました。そこで今回のリニューアルでは、部門ごとに島型のレイアウトを採用し、対面での配置とすることで、よりコミュニケーションがとりやすい環境を整えました。

什器の色はお客様にお選びいただき、部門ごとに椅子の色を変えることで、視覚的にもチームの違いが分かりやすくなるよう工夫しています。パーテーションも椅子の色に合わせて緑を基調とし、統一感のある空間を演出しました。

デスクには配線ダクト付きのものを採用し、ケーブル類がデスク上に散らばらないよう配慮しています。収納用の書庫は窓下の高さに揃えることで、空間に広がりを持たせ、開放感のあるオフィス環境を実現しました。

複合機はオフィスの中央に配置し、コピーの待ち時間などのちょっとした合間に、社員同士の自然な会話が生まれやすいレイアウトとしています。限られたスペースの中で動線を確保し、快適な空間を実現するために、何度も打ち合わせを重ねながらレイアウトを検討しました。

◎ミーティングスペース

以前は応接スペースのみで、社内のミーティングや打ち合わせに適した専用のスペースがありませんでした。そこで今回のリニューアルでは、コミュニケーションの活性化を目的として、応接や簡易ミーティングに利用できるスペースを新たに設けました。このスペースは、ミーティングだけでなく、複数人での作業や大判資料を広げる場としても活用されており、柔軟な使い方ができるエリアとなっています。

◎待合スペース

以前のオフィスは、お客様がそのまま執務スペースに入れるレイアウトとなっており、セキュリティ面での課題がありました。そこで今回のリニューアルでは、執務スペースと来客スペースを明確に分けたレイアウトに見直しています。

また、2つの部門を1つのフロアに集約したことで収納スペースが不足していたため、執務スペースとの仕切りに書庫を採用しました。さらに、書庫の上部に天板を設置することで、カウンターとしても活用できるよう工夫しています。この書庫を活用した間仕切りにより、お客様エリアと執務エリアを自然に区分けでき、空間にメリハリが生まれました。このスペースはお客様だけでなく、ドライバーの方も利用されるため、ゆっくり休憩していただけるよう、入口付近にはソファを設置しています。

執務室と入口エリアのゾーニングを明確にするため、カーペットの色を分けています。

ご提案の際には、約20種類の色見本をお持ちし、「カーペットの色によって事務所全体の雰囲気が大きく変わる」ということをお伝えしました。その結果、執務スペースには明るく前向きな印象を与えるオレンジを、入口付近には出入りが多いため汚れが目立ちにくいグレーを採用いただきました。

オフィスリニューアルの効果

今回のリニューアルでは、これまで1階と2階に分かれていた2つの部門を、2階の執務スペース1か所に集約しました。それにより、社員同士のコミュニケーションが活性化し、部門間の連携もスムーズになっています。上司への報告・連絡・相談がしやすくなったことで、管理職によるマネジメントも行き届き、業務全体がより円滑に進むようになりました。

従業員からは、「きれいになって気持ちがいい」「自然と丁寧に使いたくなる」といった声が多く上がっています。当初予定していなかった“土足禁止”の運用を取り入れたことで、オフィスをきれいに保とうとする意識も高まりました。特に「きれいな空間には、自然とそれを維持したくなる気持ちが生まれる」という効果は、当初想定していなかった嬉しい変化です。さらに、取引先など外部の方からも「雰囲気が良くなった」といった好意的な反響を多数いただいています。

今回のご依頼は福岡営業所からでしたが、リニューアル後の反響を受けて、本社（什器の入れ替え）や北九州営業所（応接兼会議室のレイアウト変更・家具入れ替え）など、他拠点からも追加のご依頼をいただいています。